本記事ではITパスポートの試験対策についてまとめています。
ITパスポートは情報処理技術者試験の中で最も難易度の低い資格です。

合格率は50%~60%であり、毎月開催複数回開催されることもあってかなり取得しやすい資格でもあります。

ITに関連する仕事をしている方はもちろんIT業界以外の人であってもITに関する知識を深めるために非常におすすめの資格です。

この機会に是非取得してみてください。
本記事の内容は以下の通り。

・ITパスポートとは?試験の概要と取得するメリット
・ITパスポートの勉強方法と合格のためのポイント
・ITパスポートを受験した感想

ITパスポートとは?試験の概要と取得するメリット

What
ITパスポートは情報処理試験の中で最も難易度の低い試験です。CBT形式というパソコンで受験する形式が取られています。

他の情報処理試験が半年や1年に1回であるのに対し、ITパスポートは毎月開催されます。各会場で月2,3回行われ、開催日も会場によってバラバラなので月5回ほど受験のチャンスがあります。

開催数の多さからも取得しやすい資格です。

ITパスポートはどんな資格?

基本情報技術者の午前問題に似た選択問題92問(全て4択問題)と、少し難易度の高い問題8問が出題されます。

ただし、難易度の高い8問は採点対象外です。(今後の出題傾向を考えるために使うとのこと)
1,000点満点で合格ラインは600点以上ですが、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のそれぞれの分野で300点以上得点する必要があります。

難易度

難易度は基本情報技術者の午前問題とほぼ同等です。合格率は50%~60%なので結構高いですね。
午前問題が合格圏に達している人であれば、合格にかなり近くなります。

ただし、3つの分野単位で別途1,000点満点の評価もあり、それぞれ300点以上の得点を取らなければならないのである程度は漫勉なく勉強しておく必要があります。

総合評価:600点以上/1,000点
ストラテジ系の評価:300点以上/1000点
マネジメント系の評価:300点以上/1000点
テクノロジ系の評価:300点以上/1000点

参考:試験内容・出題範囲

資格の位置づけ

資格の価値や位置づけとしては基本情報技術者の完全下位互換だと思ってOKです。基本情報技術者を持っている方なら取得するメリットはありません。
非プログラマの方や基本情報技術者以上の資格を持っていない方が前哨戦として受験するのがおすすめです。

また、学生さんであれば就職活動にも役立ちます。
参考:【ITパスポート公式】合格のメリット
関連記事>>ITパスポートを取得する意味はないのか?取得のメリットを紹介

受験方式

CBT形式(パソコンで受験する方式)で受験できることがITパスポートの最大の特徴です。
パソコンで受験ですが、計算用紙1枚は配布されるので計算問題などは机上で計算することができます。

公式サイトで疑似体験ソフトを配布しているようです。(Windowsのみ)
【公式】疑似体験ソフト

合否結果はすぐにわかる

CBT形式受験の大きなメリットの一つに結果が終了後すぐにわかることにあります。終了ボタンを押すとコンピュータが即採点するのですぐに結果が表示され合否もわかります。

他の試験のように合否発表まで何か月も待つ必要はありません。

毎月受験できる

受験は複数の会場で行われます。各会場月2、3回程度ですが、受験日は会場ごとにバラバラなので毎月5回ほどは受験のチャンスがあります。
1~2週に1回は行われるので自分の勉強が整った段階で受験しましょう。

ITパスポートを勉強するメリット

「ITパスポートは取る意味ないと聞いたんだけど、実際のところどうなの?」
という疑問を持っている方も多いと思います。

ITパスポートが有用かは立場によって異なります。
ITパスポートは難易度がかなり低いので現職のITエンジニアが取得してもあまり評価される資格ではありません。

多くの会社がITパスポートではなく上位の基本情報技術者試験からの受験を勧めています。私の会社も基本情報技術者からの受験を勧めていました。

一方、非ITエンジニア(IT関係以外の仕事をしている人)であれば「IT分野に詳しい」ということの証明となり、アピールポイントの一つとなります。昨今はIT分野の活用はかかせないので入る会社によってはかなり強力な武器になるかもしれません。

また、これからITエンジニアを目指す方であれば多少は書類選考が有利になります。ものすごく有利になる訳ではありませんが、何もないよりはマシです。

現職のITエンジニアはITパスポートを取得すべきか?

現職ITエンジニアがITパスポートを取得してもあまり評価されません。
現職ITエンジニアから見ると非常に難易度が低く取れて当たり前くらいのレベルだからです。

なので多くの企業は上位の基本情報技術者から取得することを勧めています。
基本情報技術者はITパスポートの完全上位互換と思ってよい資格なので、基本情報を取ってしまえばITパスポートを取るメリットはありません。

また、以前は基本情報の合格率は20%〜30%とかなり低かったですが、2021年現在基本情報は40〜50%まで上昇しています
CBT形式に変わったことに加えて午前・午後を別の日に受験できるようになった影響が大きいですね。

ITパスポートはCBT方式のため「いつでも受験できる」、「合格しやすい」というのが基本情報にないメリットでした。
しかし、現在は基本情報もCBT方式に変わったのでほぼ同じメリットがあります。

なので現職ITエンジニアの場合はITパスポートを取得するメリットがかなり減りました。
基本情報から取得するのがおすすめです。

非ITエンジニアがITパスポートを取得する3つのメリット

ITエンジニアでない人であってもITパスポートを取得するメリットはあります。
具体的には以下の3点です。

・ITの知識はどんな業界でも役立つ
・不正アクセスの巧妙化に対応
・価値の高い人材になれる

現在コンピュータを一切活用しない業界はほとんど存在しません。パソコンやインターネットがなければ仕事にならないという会社も多いと思います。
なのでどんな会社に入ったとしてもITの知識があれば役立ちます。

また、ITパスポートの資格勉強では不正アクセスの手口についても学べます。
近年は不正アクセスの手段がかなり巧妙化しており、ITの知識がないと防ぐことが難しいですが、手口を知っておけば対応可能です。

不正アクセスによるコンピュータウイルスの感染やパソコンの乗っ取りなどが起これば業務に多大な影響があります。
データが流出してしまえば取引先の企業にも迷惑がかかり、信用を大きく失います。

非ITエンジニアであってもITの知識を身つけておくことは非常に大事です。

価値の高い人材になれるのもメリットです。

「IT革命」という言葉が叫ばれてから20年ほど経っていますが、まだまだITに詳しい人材は多くありません。

なので自分の専門分野の知識に加えてITの知識があれば価値の高い人材になれます。
近年は技術の急激な進歩やAIの登場により一つの専門分野だけで戦うことが難しくなってきました。

IT分野について学び自分の可能性を広げておきましょう。

ITパスポートの勉強方法と合格のためのポイント

勉強
ITパスポートは他の情報処理試験と同様毎回ほぼ同じ問題が出題されます。なので過去問を中心に勉強することが非常に有効です。

過去問題集を丸暗記するつもりで勉強しましょう。
常識で解ける問題も多く、しっかりと勉強すれば1回目で合格することも難しくありません。

基本情報技術者と同じ勉強方法でOKです。ITパスポートまたは基本情報技術者の過去問題集を買って何度も解きましょう。

基本情報技術者も受ける予定の方は基本情報技術者の問題集を買えば一冊分のお金で済みます。
他の情報処理試験のようにレベルの高い問題やプログラミングの問題はないので過去問題集だけ解いておけば十分合格可能です。

過去問題集を丸暗記するつもりで何度も解く

ITパスポートは問題集の丸暗記で十分合格できます。
毎回同じような問題が出る上に全て4択だからです。
解説も含めて暗記しましょう。

暗記といっても一字一句暗記する必要はありません。
「この問題なんか見たことある。回答は確かこれだった」
くらいまで暗記できればひとまずOK。
回答の根拠まで説明できるようにしておくとなおよいです。

苦手分野を把握しておく

600点以上はそれほど難しくありませんが、各分野で300点以上を取らなければならないので苦手分野はしっかりと把握しておく必要があります。
300点未満しか取れない分野がある場合は集中的に勉強しておきましょう。

関連記事>>ITパスポートに1か月で合格するための勉強方法

暗記方法に関しては「基本情報の過去問を暗記するための8つのポイント」も参考にしてください。

ITパスポートで失敗しないためには

ITパスポートは非常に難易度の低い試験であるため、よほど油断しない限りは1回目の試験で合格可能だと私は考えています

私も一度目の試験で合格しました。

とは言え何も勉強せずに合格できるほど簡単ではありません。過去問や問題集を買ってしっかりと勉強することが大切。

受験回数が非常に多い試験なので、準備ができた段階で受験するようにしましょう。

ITパスポートに落ちる人の特徴と改善方法

基本情報の午前問題の勉強はITパスポートの勉強にもなる

ITパスポートと基本情報技術者の午前問題は出題内容がほぼ同じです。

なので基本情報技術者の午前問題を勉強していれば同時にITパスポートの勉強にもなります。

基本情報技術者の取得も考えている人は最初から基本情報技術者の勉強を始めてしまうのもありですね。

私もITパスポートのために特別な勉強はしておらず、基本情報技術者午前で勉強した知識だけで受験して無事合格しています。

基本情報技術者(FE)の午前問題で70点以上を取るための勉強方法

勉強におすすめのサイト

過去問道場」という過去問をランダムで出題してくれるサイトがおすすめです。
基本情報技術者用のサイトですが、ITパスポートの勉強にも役立ちます。

ITパスポートの次に取得する資格

ITパスポートの次に取得する資格としては、基本情報技術者がおすすめです。ITパスポートの内容と基本情報の午前問題の出題内容はほぼ同じなので、ITパスポートで勉強した知識が役立ちます。

基本情報技術者(FE)の対策まとめ
ITパスポートの公式サイトはこちら>>https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

ITパスポートを受験した感想

感想
私が受験したのは2011年11月なのでかれこれ10年ほど前です。
CBT方式が始まってほぼすぐの受験でした。

基本情報技術者の午前問題は既に合格圏に達していたので腕試しに受験してみました。

無事最初の受験で合格。
やはり自分の勉強の整ったタイミングで受験できることが大きいですね。
ほぼ毎週行われているので予定や勉強の計画も立てやすいです。

受験結果も終了後すぐに出るので合格発表までの間もやもやすることもありません。
採点対象の92問は全て4択なのでかなり簡単でした。基本情報技術者の午前問題を勉強しておけば余裕で解ける問題が大半です。合格点の600点はもちろん、各分野で300点を取ることもそれほど難しくはありません。

もちろん全く勉強していない状態で合格できるほど簡単ではありませんが、問題集を買って1か月ほど集中して勉強すれば十分合格可能な難易度だと感じました。

上記の通りかなり簡単に取れますし、他の情報処理試験と異なり勉強のきりのいいタイミングで受験できます。
「基本情報の午後問題はまだ合格圏に達していないけど午前は合格圏に達している」という方は自信をつけるために受験してみるのもありですね。

終わりに

今回はITパスポートの資格について紹介しました。

ITパスポートはかなり難易度の低い資格でありしっかりと勉強しておけば1回目の受験での合格も十分可能です。

試験は毎月行われており、毎月開催されるので勉強が終わったらすぐに受験することができます。

基本情報の前哨戦として受験してみてはいかがでしょうか?
ITパスポートの公式サイトはこちら>>https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
ITパスポートの対策まとめ>>ITパスポートの試験対策まとめ
基本情報の勉強はITパスポートの勉強にもなります。まとめて勉強するのがおすすめです。
基本情報技術者(FE)の対策まとめ